痛み

  • 精神・神経活動は、神経入力と、入力の処理(と、その体外表出)とから構成される
  • そのような活動に関して、様々な用語がある
  • 痛みもその一つ
  • 鎮痛薬や麻酔薬を使うと、普通なら「痛い」と感じる痛覚刺激が「痛くない」と感じる
  • 鍼麻酔も、何らかの機構により、普通なら「痛い」と感じる痛覚刺激を「痛くない」と感じさせる
  • 解離性幻覚剤は離人症などを引き起こすが、これも普通の痛覚刺激を「痛い」と感じなくさせる
  • この「痛み」に関して、どういう風に考えればよいのだろう?
  • 1 体外環境の物理化学的な何か
  • 2 普通に「痛い」と感じるはずの身体生理現象の発生
  • 3 生理現象が末梢知覚神経を刺激する
  • 4 末梢知覚神経の活動が中枢神経に到達する
  • 5 中枢神経で処理され、「痛いこと」と判断・解釈される
  • 6 「痛いこと」と判断・解釈されたことを、表情や声などで表現する
  • 7 「痛み」に対する防御行動や逃避行動が起きる
  • 防具は、1が2を引き起こさないようにする
  • 炎症止め的な鎮痛剤は、2を抑制する
  • 局所麻酔薬は3の末梢神経活動の生理現象感知末端を抑制する
  • 鍼麻酔は3、4における末梢神経の活性化を抑える?もしくは、末梢知覚神経に近い部分の中枢神経たちを抑制する
  • 中枢鎮痛薬・麻薬は、4,5のうちの、「前半」を抑える
  • 麻酔薬による中枢神経抑制は、中枢神経の活動を抑える
  • 解離性幻覚剤は5の「後半」を抑制し、「経験としての『痛み』」として解釈されないようにする(らしい)
  • 我慢強い個人は、「痛い」との解釈を顔や声に出したりしない傾向を持つことで、あたかも「痛いと感じていない」ように(他人に)見せる
  • 筋弛緩剤は、痛いという解釈を外部表出する運動神経の抑制をすることで、あたかも「痛いと感じていない」ように見せる
  • 痛み刺激に対する逃避反射は、中枢神経の制御を受けないはずだから、末梢系の鎮痛をしない限りは、反射が見られると思われる(が鍼麻酔でも逃避反射は起きなくなるように思われる…)
  • ここでは、「痛み」という精神・神経活動について考えたが、感情や気分、知覚・解釈など(すべての)精神・神経活動に関しては、これに類する説明ができるはずなのではないかと思われる